伸ばした手の先 指の先

「と、いうわけなんです」

 柚季先輩に、「2年の大辻と1年の渡辺は付き合っていて、一緒に帰っている」という噂が保護者にまで伝わっているという話をした。

「近いうちに事情聴取されるかもしれないね」

「……」

「大丈夫だよ。付き合ってません、そんなのただの噂ですって言えばいいんだから」

「……」

 先輩はあたしの頭にそっと手を置いた。

「何とかなるよ」

 本当に? なんて聞いても無駄なことは知っている。

 未来に保証なんかない。

 それはよく知っている。

< 39 / 39 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

休暇村

総文字数/1

ファンタジー1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop