自転車の彼
「おっ、偶然♪」



桜見がどうやって私の家を突き止めたのかは知らないが、毎朝自転車に乗ってヤツは現れた。



世間ではこの行為をストーカーっていうのよ、なんて桜見に教えたところでなにも変わりはしないだろう。




私は、桜見を見るなりわざと溜め息をついて荷物を自転車のカゴの中へ。



そして、私自身を後ろの荷台に。
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