自転車の彼
初めて桜見に告白された時、私をよく見つけたわねと不覚にも感心した。



もちろん、答えはNO。

当たり障りのないように、私はいつかドラマで見た台詞をそっくりそのまま言う。




私にとって"それ"はただの厄介事でしかなかったのだから。




でも、桜見は諦める気配が無かった。
< 5 / 35 >

この作品をシェア

pagetop