甘いKISSにご用心★
俺の隣というか、
後ろに隠れるように
いる紗奈は、
肌寒いのか
真っ白いカーディガンの裾を
握りしめている。
「で、
葉山先輩は
何が狙いなんすか?」
どうせ紗奈を
狙ってるんだろ?
俺だってそんくらい
分かるんだよ・・・
まぁ、
葉山の本当の目的は
俺を潰す事だろーけど。
「えっと・・・
もちろん伊崎さんが
欲しいんだけど・・・。
神坂くんの
彼女の伊崎さんが。」
「へっ?!
どうゆう事なの綾貴??」
葉山の言った事に
動揺を隠せない紗奈を
よそに、
俺と葉山は話しを
続ける。
「そうですか。
でも、
紗奈は渡せませんよ。
特に葉山先輩みたいな
遊び人の人には・・・」
「クッ・・・・・・
俺はお前、
神坂綾貴を絶対に
潰すからな!!!
今に見てろよ。」
ついに紗奈の前でも
本性を現したか。
捨てゼリフを
言い残し、
去っていく葉山の背中は
心が狭い奴だと
改めて感じた。