甘いKISSにご用心★
この青波高校は、
無駄に広すぎんだよな。
ネクタイをきちんと締めて
優等生モードにすばやく
切り換えてから、
職員室に入る。
ガラガラ―…
「あっ!
待ってたわよ、神坂くん」
「おはようございます、市川先生。
ご用件はなんでしょうか?」
俺は営業スマイルで
市川に言う。
営業スマイルなら、
どんな奴だって
俺の虜になる…
「あ、えっとねっ
朝会の事なんだけど、
神坂くんに少しスピーチを
してもらうことになったわ」
そんなのとっくの昔に
知ってるっつーの。
市川、俺の営業スマイルで
言うことまで
忘れたのかよ…(苦笑)
「神坂ーっ
スピーチ頑張れよ!!
先生はしっかり聞いているからな」
職員室の奥から
叫ぶのは、
1-A担任、大槻宝[オオツキタカラ]
大槻は、一応
亜咲の兄でもある。
とにかく熱血で
亜咲にはよく、
邪魔扱いされている。