悪魔と時間
あたり一面が光に包まる。


白い煙が立ち込め、ちょうど、テレビの演出用のドライアイスのよう。


ひんやりしていて、どちらかというと下に漂っている。


「誰だ、お前」


今おかれている状況を把握したころに、声が降ってくる。


声のした方へ視線を上げると、妖麗な男が私を見下すように見る。


「・・・・あ、あんたこそ誰よ」


動揺しながらもなんとか言葉を出すことができた。

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