悪魔と時間
「・・・・名前はお前がつけろ」


その妖麗な男は真顔で言う。


「・・・頭、大丈夫?」


私は彼が不法侵入者であることを忘れ同情する。


「なんかムカつくなその視線」


彼は悪魔だと名乗り、契約者である私に名を与えられることによりこの世界での存在を許されるのだという。


存在を許されるというのは、名を与えられないと存在がなくなるとかではなくて、法律的(?)にということらしい。


そう、たとえば、戸籍とか。


交流関係とか。


私が持っている一般常識とか。
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