悪魔と時間
「あれ・・・・」


なかなかこない衝撃に、痺れを切らしてゆっくりと目を開ける。


「お前は飛べないのか?」


「飛べないわよ。普通は飛べないわよ!!」


不思議そうに言う彼に力強く常識を訴える。


「そうか、俺は特別だからな」


悪魔と名乗る男は勝ち誇ったように、私を見つける。


自信に満ちたその顔もかっこよくて、つい見とれてしまう。


そのことは、一生口にしないだろう。
< 24 / 74 >

この作品をシェア

pagetop