悪魔と時間
「どうした?顔赤いぞ」


そう言って顔を近づけてくる。


「離して」


こんな近くに弟以外の男の顔があったことがない。


免疫のない私は当然、パニクックを起こして、ここが空中であることを忘れて暴れだす。


「離していいのか?」


悪魔と名乗る男は未来の回答を待たずに手を離す。


「え・・・きゃ――――――」


支えを失った私の体は、重力の指示に従い当然落下する。
< 25 / 74 >

この作品をシェア

pagetop