悪魔と時間
「どうした?」


足に力が入らず、一人で立っていられずその場にしゃがみ込めば、不思議そうな眼が私に向けられる。


「・・・あなたのせいだから、部屋まで連れて行って」


自分を抱き上げるように命令する。


「嫌だね。契約者でもないあんたを助ける義理はない」


確かに彼に助けてもらう義理はない。


でも、義務はあると思う。
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