悪魔と時間
ここは、大通りとまでいかなくても、それなりに人通りがある。


こんな所でしゃがみ込んでいるのが、見つかれば近所の噂好きのおばさま方のかっこうのターゲットだ。


しかもくつ下姿。


「・・・・知らなかったわ。まだ、契約って成立していないのね」


しばらく考えて、悪魔の発言に不整合な部分が見つかった。


悪魔の顔に「しまった」と浮かぶ。


自分の優位を確保すると、当然のように言う。


「とにかく、運んでくれる?」


嫌とはいえない状況を作り出すことが大切だ。
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