悪魔と時間
「お前、俺が怖くないのか?」


悪魔は困惑しながらも話題を変える。


「怖い…どうして?」


人は普通、悪魔を怖がるものだ。


今までの私も、そんなことはないと思っていたとはいえ、もし、仮に悪魔にあったら怖いとは思っていた。


それがどうだろう。


彼は、全く怖くない。


「どうしてって、お前たち人間にとって悪魔は恐怖の対象だろ」


そうでなければ、自分達の存在理由がなくなる。


「あなたは私に危害を加える気はないでしょ。それに、あなたを悪魔だと認めてないから、怖がる必要もない」


もちろん、悪魔だとは認めている。


空中遊泳をされては、少なくとも人以外の生物であることは認めざる負えない。
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