悪魔と時間
「いいよなぁ~高校生は宿題なくて」


正樹はうらやましそうに言いながら、ケーキのフィルムを剥がす。


「おねぇちゃん。これから勉強しなきゃだから」


そう言って慌てて部屋に戻ろうとする。


正樹の可愛さについ、あいつの存在を忘れるところだった。


「何の?」


勉強するなんて考えられないと言った様子で、目を丸くする。


「学校のに決まってるじゃない」


慌てて話を切り上げると階段を駆け上がる。
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