悪魔と時間
「それより、サインする気になった?」


悪魔は契約をせがむ。


「契約すると私に何のメリットがあるの?」


多少心が動かされたのと、興味も手伝って聞いた。


「お前、何も読んでないのか?」


悪魔は眉をひそめ、ため息をつきながら言う。


「読もうとしたら、あなたが現れたんじゃない」


そんな理由で呆れられるのは腹立たしい。
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