悪魔と時間
「そうそう、言い忘れたけど、あんたには危害は加えられないけど・・・」


悪魔は不適に笑うと正樹を見つめる。


「・・・まさか、辞めて」


思わず叫んでいた。


「わぁ」


正樹が大きな声を出して椅子から勢いよく立ち上がる。


「何したの?」


責めるように悪魔詰め寄る。


悪魔は、意地悪く笑う。


「簡単な悪戯だ」


悪魔の手にあるものを凝視した。


「ケーキ?」


それは母がおやつに用意したケーキだった。


モンブランにしようかショートケーキにしようか迷った挙句、正樹がショートケーキが好きだから残しておいた。


そのショートケーキが悪魔の手の中にある。
< 44 / 74 >

この作品をシェア

pagetop