悪魔と時間
「何もないよ。それより、宿題やった?」


嘘をつき話を誤魔化したことに罪悪感を覚えながら言う。


「だから、聞きにきたんじゃん」


正樹は教科書とノートを私に渡す。


「今日は正樹の部屋でやろ?」


正樹はいつもと違う私の様子に首を傾げながらも、言われたとおりに自分の部屋へ戻る。


正樹が自分の部屋に戻ったことを確認してからドアをしめ、悪魔に向き直る。


「今度は、絶対に出ないでよ!」


強い口調で、それでも小声にすることは忘れずに、言いたいことだけ言うと部屋をあとにした。
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