悪魔と時間
「昔から俺たちとの契約は契約者の血と決まっている」


「・・・」


躊躇する私にナイフを握らせる。


しぶしぶ、受け取り人差し指を滑らせる。


指に朱色の線ができる。


溢れて、落ちそうになる滴を悪魔が本で受け取る。


「これで契約完了だ」


どこか晴れ晴れとした悪魔に、契約完了を知らされる。


登場シーンとは異なり、まばゆい光も、スモークもないことに虚を突かれる。
< 52 / 74 >

この作品をシェア

pagetop