悪魔と時間
「ブラコン」


ボソっと発した千夏の言葉は、聞こえなかったことにする。


千夏の存在に気づいた正樹は、名残惜しそうに離れると、千夏に視線を移す。


「あっ、千夏ちゃんだ。姉がいつもお世話になっております」


頭を下げて挨拶する様子にもう一度抱きしめたくなるのを必死で堪える。
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