悪魔と時間
第1章~悪魔と本~
「いらっしゃいませ」


ここちいい、来客を知らせる鈴の音。


古い店には不釣り合いな若い定員が鈴の音と同時に現れる。


顔は私の好み。


そんなことを考えている私に、私好みの店員は続ける。


「貴方がいらっしゃることはわかっていました」


そう話しかけてくる店員に当然警戒する。


古本屋と見せかけて、何か怪しげな宗教なのかもしれない。


「何かおすすめはありますか?」


隙をついて逃げることを考えて、ドアの方に後ずさる。

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