G R E E N
気づいたら、自分の涙で真紀が見えない。
ヒロに彼女が………
そっかぁ。私だけだったんだ。
馬鹿みたいにヒロの言葉信じて、応援してくれるとか勝手に考えてたのは。
結局、嘘だったんだ。
「ヒロの…彼女は……誰?」
『バスケ部の…ミホちゃん』
…よりによって、ミホちゃんかぁ。
ミホちゃんは私が苦手なタイプな子だった。
機嫌の上下が激しくて、一年生のころから好きではなかった子だ…。
「付き合ったのは…ミホちゃんから?」
『……………ヒロ君からみたい。』
…………ああ、もぅ。
「そっかぁ!じゃあしょうがないね!私だけ馬鹿だったんだぁ!真紀、苦しませてごめんね!」
もう、明るく振る舞うしかできない。
私ひとり馬鹿みたいで。
『蒼!私の前でくらい、無理しないでいいから!』
真紀には私の強がりも、本当は寂しいって気持ちも全部バレバレだったんだ。
その日は真紀と二人でファミレスで、人目も気にせず泣いた。
『「へへ、うちらバカみたい」』
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