G R E E N



私は自分の部活に行く前にミヤ君にメールを一通だけ送った。

『大丈夫?』

と、ただ一言。

なんて軽薄な言葉なんだろうって思う。

このメールはミヤ君が心配で仕方ないわたしの自己満足かもしれない。

…でも、いてもたってもいられなかったんだ。




私は部活にプライベートは持ち込まないと決めていたから、自分はいつも通りに練習した。

…いや、いつも以上に集中してやった。

階段から見える、主のいないガランとしたグラウンド。

そこに音を響かせるように吹いた。


泪を流していた君に届くように。





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