G R E E N



その日の部活中にメールがきた。
私は部長だから、先生と連絡をとるために部活中も携帯を持ち歩くようにしてる。


〈受信:宮下 悠斗〉

わぁ!
やばいミヤ君からのメールだ!

今見たら確実に部活に集中できない!


ミヤ君の彼女になれたことに浮かれて、部活に支障がでるのだけは避けたい。

わたしは部活後にメールを見ることにして、携帯を閉じた。


『あれ?先生からメールじゃないの?』

同じパートの麻亜子が声を掛けてきた。

麻亜子は普段は天然なんだけど、音楽のこととなると人格が変わる。

…部長の私なんかよりよっぽど恐いと思う。


「ん〜、違った!気にしないで練習続けよ?」

『そかそか、んじゃ今のところからもう一回合わせよ?』


今は部活中なんだから!
私は邪念を払って、さっきよりも集中した。


『蒼ちゃん、今のとこよくなったね♪』

「そっそうかな?んじゃ、今の感じで頑張るわ!」



あぁ…私って単純。




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