G R E E N
でも、美穂ちゃんの声はイヤでも耳に入ってくる。
『でね!ヒロがぁ………』
友達に話してる声。
わたしが知らないヒロの話。
私は教室に居られなくって、飛び出した。
「あっ、蒼!?」
ごめん、真紀、今はここに居たくない。
せっかく同じクラスになれたのにね。
廊下に出ると、誰も居なかった。
隅っこで座る。
私の居場所がどこにもない。
当たり前のようにヒロの隣にいたのに。
ヒロの左隣りには今は違う子が笑ってるんだ。
泣きそうになるのを堪えた
『………部長、大丈夫?』
低く、少しかすれた声
.