G R E E N



私の家までは自転車で15分くらい。

あっという間にもうすぐ家だ。

まだ…帰りたくないな。


「もうすぐ家なんだぁ…」

『まぢか!結構近いんだな。』

「うん。…でもね、次のかどを曲がると公園があるんだよ?」

『なになに?まだ帰りたくないのかぁ?』


ミヤ君はいじわるそうに笑って言う。

…ずるい!
私に「帰りたくない」って言わせる気なんだ。


「ん〜、そうとも言う。」


つい、恥ずかしくて意地を張っちゃう。

可愛くないなぁ。



『はいはい♪俺もだよ♪ちょっと寄ってから帰ろうか?時間大丈夫?』


ミヤ君はそんな私の性格もお見通しみたいだ。


「わーい♪ありがとう。時間は連絡入れれば大丈夫!」




普段から部活の3役会議とかで遅くなっていたから、我が家は門限に関しては緩いほうだった。




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