G R E E N


『ばか!お前そんな暖かそうなマフラー巻いて寒がってんのか!?俺が貰ってやる!』


そう言って、ミヤ君は自分だってマフラーを巻いているのにわたしの首からマフラーを奪って自分の首にまいた。


「ちょっ!まぢ寒いから!返してよ!」

『だーめ♪これ俺の♪』

「えーー!本当無理!寒い寒い!」


今日はこの冬1番の寒さってお天気お姉さんが言ってたのに!

私がミヤ君から取ろうとしても、男の子の力に敵うはずもなく、両手をつかまれてしまった。


『だーめ♪返してあげない!お前のものは俺のもの。』

「ジャイアンじゃん!」

『俺は宮下です♪』

「もうーーー!」


両手をつかまれたまま、口でも勝てずに、マフラーは返って来ない。


こりゃ本当に返してもらえなさそうだ。




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