G R E E N


私の首に何かがフワッとかかった。


…私のマフラーと…、ミヤ君のマフラー。




「えっ?」


驚いてミヤ君を見ると、首には何もなくて、さっきまでミヤ君が巻いていたはずの2本のマフラーは私の首にミヤ君の手によって巻かれていた。

ミヤ君の体温がマフラーに残ってて暖かいような恥ずかしいような。


『はい♪俺はもういーから、巻いてな。』

「えっでも…寒いんでしょ?」

『いーから、素直に巻いとけ?じゃないと、こーしてやる!』


ミヤ君はそう言って、マフラーで私の首をキュッと締めた。


「ちょっ、苦しいよー!」


じたばた暴れる私を面白そうに見たあと、ニヤっと笑う。

次の瞬間…私の唇に軽くキスをして、手を緩めてこう言った。

『俺はこれでいーよ。』


その時の子供っぽく笑う顔があまりに優しくて…

「…もぉ。ばか。」

『はいはい。大人しくしなさい。』


手を乗せてくれた頭からミヤ君への気持ちが溢れそうだ。



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