G R E E N
◇高校2年生 冬*後編

狂いだした歯車




その日はとても晴れた日で、冬なのに青空が広がってた。

澄んだ空気に身体の奥まで凍るような、洗われるような。

そんな日だった。



部活が個人練習だったため、いつもの階段でいつものようにグランドを見つめながら練習に励む。

冷たい空気に楽器はすっかり冷えて、いくら吹いても暖まらない。

…そろそろ外で吹くのも限界かなぁ?


夏には他の部員も外で吹いていたけれど、今では外で吹くのは私一人くらいだ。


グランドをぼーっと見ながら中に入ろうか少し考えていたとき。



サッカー部の誰かが、ボールを競り合って派手に転んだ。


その一連の流れがスローモーションのようにはっきりと目に焼き付く。




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