G R E E N

偶然ではない必然




そう思っていても、朝は来る。
灰色にしか見えない毎日だって、時間は止まってくれない。


今日だって明日だって、美穂ちゃんのいるクラスに行かなきゃいけないんだ。



『…蒼?大丈夫?』

真紀はいつだって傍にいてくれた。
昨日見てしまったことも話してある。


『気が済むまで、好きでいたっていいんだよ?辛いかもしれないけど、無理にあきらめるほうが辛いなら、真っ直ぐに好きでいたっていいじゃない。時間かかるなら、いくらだって付き合うから。わたしは蒼と同じ時間の早さで傍にいるからね?』



真紀は本当に優しい。

真紀の言葉に何度救われたかわからないほどに。


「真紀ー本当ありがとう。報われないってわかってても、整理ができないんだ。」





そう、これが本音。
信じられないとか言っても、ヒロのことが忘れられなくて。

この気持ちが恋なのか、意地なのか、執着なのか…もう自分でもわからなかった。





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