G R E E N
「おまたせー!」
『あぁ、来た?んじゃ、帰るか。』
いつものように二人で並んで自転車をこぐ。
いつもの道を帰る。
…いつもと違うのは会話がないこと。
前までどんな話をしてたんだっけ?
そんなことまで考えてしまう。
そうこうしているうちに、あっという間に家が近づいてきた。
いつもはここで公園によって帰る。
その分かれ道、どちらともなく自転車を止めた。
『……………。』
「今日は公園寄らないの?」
『…あー、どっちでもいいよ。』
今まではこんな会話もなく、立ち寄るのが当たり前だったのに…。
これ以上、一緒に居たくないのかな…?
「足怪我してるし、ここまで来るのも大変だったでしょ?今日は帰る?」
『ん?そうでもないよ。』
「…そっかぁ。」
『どうすんの?』
「……公園に寄りたい。」
『わかった。』
これ以上一緒にいるのが怖いと思いながらも、それでも一緒にいたらまた戻るんじゃないかって期待しちゃうんだ。
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