G R E E N
『真紀ーーーーーー!ヒロにフラれたぁ』
その日の夜、親友の真紀に電話。
真紀は高校入学してからすぐに友達になった。
考え方も趣味も性格も全部逆な私たちだったけど、唯一の共通点の吹奏楽ですぐに意気投合した。
今では何でも話せる、最も信頼できる絶対的な存在だ。
そんな真紀に話していたら、もう涙止まらなくて、真紀は私の言葉をひとつひとつ汲み取るように聞いてくれた。
「あの男ばかじゃないの!?明日殴ってやりたいわ。蒼、明日来れる?無理はしなくていいからね。」
『行きたくないけど、心配かけたくないから行くよ。てかヒロを殴らないでー。フラれてもやっぱ好きなんだもん。』
「はぁ。本当好きだったもんね。それは1番わかってるつもりだゃ。今、傍にいてあげられなくてごめんね。」
『真紀ーー。やっぱ真紀が1番好きー』
その夜はきっと真紀がいなきゃ眠れなかっただろう。
それくらい真紀はわたしにとってかけがえのない存在だった。