G R E E N
朝からとにかく駆け回る!
セッティングが終わって、ステージ班の先生に挨拶をして、いよいよ自分たちのステージの開演。
目の前には体育館が埋まるほどのたくさんのお客さんが集まってくれた。
指揮者が手を振り上げ、一曲目の第一音が鳴り、体育館は音楽で溢れた。
…あぁ、この瞬間がやっぱり1番好き。
50人の想いが一つになって一音になって一曲になる。
部室の階段から見えた、どこまでも澄み渡る青空に支えられて、その情景を想い浮かべて、私は吹いた。
そのとき、ふと客席を見ると。
頭ひとつ飛び抜けたミヤ君が見えた。
…聴きに来てくれたんだ。
それだけで心が温かくなった。
客席の照明が落ちた体育館のなかで、そこだけがピンスポットが当たっているように輝いて見えた。
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