G R E E N
私は震える足を押さえて、声を振り絞った。
『…文化祭、一緒にまわらない?』
ミヤ君は一瞬驚いたような顔を見せたあと、すぐにニカッと笑った
「吹奏楽の発表おつかれ。どこからまわろっか?」
私は安心してしまった。
そしてミヤ君とまわることばかりに気を取られて、どこに行きたいとか全く考えてなかったんだ。
『…何も考えてなかったー!ひとまずお腹すいちゃた。』
「なんだし、それ!笑 んじゃ何か食べに行きますか♪」
二人で隣に並んで、騒がしい廊下を歩きだした。
装飾された教室。
中から漏れる笑い声。
人が溢れている廊下。
いつもとは違う校内だったけれど、ミヤ君の隣にいることが何より私をドキドキさせていた。
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