G R E E N



『里沙は…リィはまだ亮平が好きなんだ。リィの気持ち知ってるのに、わたし…。ダメだよ。亮平を好きになんかなっちゃダメだったのに…。』




私は何も言えなかった。

自分の好きな人に彼女ができるということ。

その悲しみと寂しさと絶望。
わたしが誰よりも知ってる。


しかも、相手が自分の友達で、信頼していたひとなら、里沙ちゃんの絶望は計り知れない。



私を傍で見てきた明菜には、里沙ちゃんを裏切ることなんてできないんだろう。





でも、わたしは…




.
< 98 / 255 >

この作品をシェア

pagetop