サルビア
そんなあたしを、エリがまっすぐに見てくる。

何か話そうとするものの、何を話したらいいのか、全く頭が働かない…

どれくらいボーッと、立ち尽くしていたのだろう。

エリは何も言わないあたしに、「とりあえず病院行くわ…タクシー呼んで?」と、悲しそうな顔で言った。

「あ、う、うん…タクシーな!電話するわ!」


間もなくタクシーが家まで来て、あたしとエリは無言のまま、病院に向かった。


エリが診断されている間、1人になったあたしは、頭を整理しようと、必死で考えた。

本間にあたしとエリは姉妹なん?

エリはずっと知ってたん?

あたしはエリに、何て言ったらいいの?


今エリは、精神的に不安定で、手首まで切っている。

もしかしたら、からかわれてるんちゃうん?とも思った。




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