サルビア
しばらくして、看護婦さんが出て来た。

あたしの顔を見て、「妹さん?止血も終わって、今点滴してるから。もう中入っていいから、行ってあげて」と言った。

何となくムッとしたあたしは、「姉です!」とだけ言って、中へ入って行った。


天井をボーッと見つめながら、ベッドに寝ているエリ。

あたしは横にあった、椅子に腰かけた。

エリはあたしを見て、「心配かけてごめんな…」とだけ言って、また天井を見る。

「何で、こんな事したん…?」

エリはまたあたしの方を向いて、「ごめん…」と言った。


今ここで、エリを責めても仕方ないな。

じゃあ今、何を話せばいいんやろう…


いっぱいいっぱいな頭の中を、エリに悟られないように、努めて普通な感じで聞いた。

「んで、今は落ち着いた?大丈夫なん?」

「うん、今は落ち着いてるよ。
最近ちゃんと食べてなかったから、そっちの方が怒られた…
食欲ないなら、これからも点滴来なさいって」

「そっか、それなら良かった…」

そう言って、力ない笑顔だったけど、2人で顔を合わせて笑った。


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