サルビア
「すいません!」


たまらず立ち上がって、席を離れ、ボーイに話しに行った。

気持ち悪い…


今まであたしは、お客さんに触られた事が、1度もなかった。

泣きそうなあたしを気遣って、ボーイがお客の元へ行き、違う女の子に変えてもらった。

あたしは隅の方の席で、ボーッとしていた。


10分ほど経ったんだろうか。

ふと見ると、さっきのお客の横には、先輩のミオが座っていた。

お店は暇らしく、2、3組しかお客はいない。

あたしの横には、ミオと仲の良い、ヒカルとレイナが座っていた。

しばらくして、ミオと交代で、違う女の子が付き、ミオはこっちに戻ってきた。


ミオは戻ってくるなり、あたしを睨んで、「かけもちするんなら、もう1こも風俗行けや」と言った。

「違っ…」

あたしの小さな声は、大音量のトランスに、かき消された。

隣で聞こえよがしに、あたしの悪口を言っている。

あたしじゃないのに…


しかしこれからもっと、あたしは嫌な目を見る事になる…








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