サルビア
そしてあたしがあけたのがきっかけになり、他の席でも、次々にシャンパンがおりていく。

あたしは1人になりながら、ボーッと考えていた。

今日の会計いくらやろう…

幸い財布の中には、多めに入っていたし、足りない事はなかったから、不安はなかった。


そして周りでは、カフェパリよりも高価なシャンパンが、次々とおろされていくのを見ながら、一体いくらかかるんやろうって思った。

高価なシャンパンや、カフェパリでも、あける本数が多ければ多いだけ、涼が長く席にいてくれる。

もっと涼に、隣におって欲しい…

初めて周りのお客さんに、対抗心を覚えた。

そして同時に、エリやったら、もっとおろせるんやろうな…と思って、悔しくなった。


結局お店が終わるまで、涼は席に戻って来なかった。

でもあたしの送り出しを最後にして、約束通り、「ほな朝日行こか!」と、お店が終わってからの時間は、あたしの為に、あけておいてくれた。

嬉しい反面、もっとお金使ってる人もおったのになぁと思うと、何か申し訳ない気分だった。





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