サルビア
仕事場に着いて、待機中にボーッと考えていた。

エリと一緒に住むようになって、エリが仕事に行かなくなった頃。

エリの様子はおかしかった。

あれは、シャブをしていたんやろうか?

薬の事を全く知らないあたしは、目を見たってきっと分からない。

でも何となく、あの時はしてたんやろうなって思った。


最近仕事は、本当に暇だった。

あたしや他の女の子は、平均1本か2本。

エリだけが、5本か6本は付いていた。

エリと母親の間の事は知らないけど、エリは弱い。

こうやって仕事でも稼げるし、エリは綺麗だし、スタイルもいいし。

何が不満で、シャブをしたり、手首を切ったりするんさ。

あたしや涼に、心配かけたいだけちゃうん?

そんな風に思ってしまう、自分が嫌だったけど、そう思わずにはいられなかった。


仕事が暇な事が、余計にあたしを、イライラさせた。

このままじゃ、涼にお金使われへんやん…

涼は、「今はあたしが、1番好き」って言った。

涼はホスト。

嘘かも知れん。

それでもやっぱり、嬉しかった。

もっと稼いで、涼に喜んでもらいたい!


そんな事を考えながら、お客さんに1人だけ付いて、あがりの時間になった。

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