サルビア
何日かは、そんな感じで過ぎていった。

稼げないあたしは、涼のお店には行けなかった。

少ないお金で行って、涼に愛想を尽かされるのは、嫌やったから。

エリは良く、仕事帰りに行ってるみたいやった。

でもお店が終わる頃には、家に帰って来てたから、あたしは少し安心していた。


エリはたまに、シャブをしてるみたいやった。

涼に聞いてから、何となくエリの様子がおかしい時は、してるんやって思った。


仕事で稼げて、涼に会いに行けるのに…

シャブをしている時のエリは、気持ち悪くて嫌やった。

シャブに逃げるエリの弱さに、すごく腹が立った。

でも、何となく恐くて、エリに注意する事はなかった。


何となく、毎日が過ぎていった頃、エリがあたしに言った。

「なぁ、朝日。
あたしな、今の仕事場やめよう思てんねん…」

「何で?普通に稼げてるやん?」

「ん~。でも今の稼ぎでは、回らんねんかぁ…」

エリは1日、少なくとも5万以上は稼いでいる。

今までに多少の貯金があるとも、言っていた。

そんなに涼に使ってるん…?

っていうか、今より稼げるとこって…?




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