サルビア
「ソープでも行くんか~?」

冗談っぽく聞いてみた。

「ソープじゃない。本番屋…」

「はっ?」


別に風俗は風俗。

そんな変わらんやんって、思う人もいるかも知れない。

でもあたしは、本番屋には少し抵抗があった。


「そんなんやめとき!」

「…」

「そこまでしんでもいいやん!」

あたしは必死でエリを、説得しようとした。

しかしエリは言った。

「心配してくれてありがと。
でもな、もう決まってんねん…
今週末から行くから…」

少し悲しそうな顔で。

あたしはそれでも、「やめとき」って、言い続けた。

でもエリは、「ごめん…」としか、言わなかった。

やっぱり最後には、笑ってエリは言った。

「大丈夫!お金が落ち着いたら、すぐやめるから!」




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