俺.AND.ROID
「つか、それ遠いよ!女の子1人で歩く距離じゃねぇし」
そうそう。
うち来なよ~。
…なんて不躾なことは言わないさ。
「大丈夫ですよ。走って帰りますので」
「いや、そういう問題じゃなくて…」
「ではどういう問題なのでしょうか?」
アンドロイドちゃんはかなり冷淡な目で俺を見てきた。
こういった子にはちゃんと説明してやらないとな。
「ほら、見てみ」
俺は道路の方を指差した。
道路はすでに荒川状態。
どう考えても明日の朝のニュースは洪水情報で持ちきりだろう。
「このまま雨が降り続けると、たぶん近藤さんが家に着く頃にはこのコンビニも水浸しだろうね。近藤さんも道中で溺れちゃう危険性があると思うんだ」
「溺れるのはイャです…」
アンドロイドちゃんの声が急に小さくなったが、表情はまるで変わっていなかった。