俺.AND.ROID
それにしても相楽さんは優しい方だ。
初めて会ったときからそう。
私を対等に扱ってくれて…
ううん。
むしろ凄く大事に扱ってくださっている。
どうしてなのかわからないけど、相楽さんには感謝しなくては。
私はそう心に刻みこんだ。
家に着くと、部屋は真っ暗だった。
お兄ちゃん、心配しているだろうな。
今日は朝早くからバイトが入っているので、家に着くころにはもうお兄ちゃんの姿はなかった。
誰もいないと分かっているのに、今にも聞こえてきそう。
“おかえり”って…
あの子の言葉はもうここにはないのに。