俺.AND.ROID
俺が目を覚ますと、そこにアンドロイドちゃんの姿はなかった。
女の子を泣かせるのは好きじゃない。
まぁ、よく泣かせるけど。
こんなに罪悪感を感じたのは久しぶりかもしれない。
初めて彼女をフったときくらいではないだろうか。
ほとんど覚えてないが。
いつも目覚めはすっきりしないが、こんな日は特にダルい。
彼女に嫌われたかもしれない…なんて、らしくないことを考えてしまう自分がいた。
別に嫌われたっていいじゃないか。
俺に言い寄る女なんて腐るほどいるだろうに…
ふとテーブルの上を見ると、折りたたまれた白い紙が置いてあった。
広げてみる。
“近藤雪音”…
アンドロイドちゃんの名前か。
すげー合ってるな。
白くて、朝の暖かい日差しとともに溶けるように姿を消した。
ほんとに雪みたいな存在だ。