恋愛日和 feat.ナナ ~ナナの想い~
「ねぇ、ナナ。」

「なに?」

「今日うちに、泊まりに来ない?」

「えっ?」

ユリと並んで歩きながら。

ユリの突然の、この申し出に驚く。


「うちの両親、ほんと旅行好きで。今日から二泊三日で、出かけんの。弟の面倒も、家事も全部、あたしに押しつけて。」

私は笑ってから。

「仲のいいご両親で、いいじゃない。」

「そんなこともないって。年中けんかしてるし、その割には、いつでも新婚気分で・・・。」

ユリはハッとすると、私の顔色を伺うように。

「ごめん・・・。両親の話しなんかしちゃって。」

そう言う。

「そんなこと、全然大丈夫だから、気を遣わないで。」

私は微笑んだ。


ユリは話を変えるように。

「それでね。要するに、ナナにヘルプして欲しいってわけよ。あたし、家事とか苦手だし。」

「ユリの家の家政婦になれってこと?」

私がいたずらっぽく笑うと。

「そうそう、そういうこと!もう中二だし、家事に追われる可哀想な親友のために、泊まりに来てくれても、いいんじゃない?」

そう言ってユリは、ケラケラと笑った。
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