恋愛日和 feat.ナナ ~ナナの想い~
ユリの部屋の中で。

ユリと私はベッドを背もたれにしながら。

二人並んで座っていた。


さっきの症状は・・・、つわり。

妊娠したのかもしれない。

頭の中が真っ白になって。

私はただただ呆然と、身動き出来ずにいた。


ユリはそんな私に、なにかを言って。

部屋を出て行ったのは、いいのだけれど。

ユリがなにを言ったのか。

そのときの私には、全然聞こえていなかった。


ただ、すぐに戻って来たユリの手の中には、妊娠検査薬が握られていて。

近くの薬局に、買いに走ったということだけは分かった。


呆然としている私に、ユリはそれを渡すと。

私は促されるまま、それを試し。


判定結果は、当然のように。


“陽性”


妊娠の可能性あり、というものだった。
< 29 / 45 >

この作品をシェア

pagetop