恋愛日和 feat.ナナ ～ナナの想い～

流れる沈黙。


それを打ち破るように、震える声で、ユリが言った。

「・・・相手は、誰なの？」


私は小さく、首を振る。


言えるわけがない。

たとえ親友だとしても。

言えるわけが・・・。


突然。

ユリが私の両肩を持って、揺さぶりながら叫んだ。

「相手は誰だって、聞いてんのよ！！」

そんなユリの顔を見つめれば。

大粒の涙が、ポロポロと零れている。


・・・ユリ？

私のために泣いてくれているの？

ユリ・・・。

・・・それでも。

・・・それでも、言えないよ・・・。


「お願い・・・、教えて？」

ユリは揺さぶっていた両手を、私の背中に回すと。

そのまま私を優しく抱きしめて、耳元でそう呟いた。