ヒワズウタ ~ユヅキ~


そのまま、少女を店長らしき人に任せ、店の入り口に散乱した荷物を取りに外へ向かう。


少女の荷物を店員に渡すため手に取る。



何で、女の荷物って、こんなに多いんだ。



バックからは、化粧品だの雑誌だのがはみ出している。

手早く荷物をまとめてレジの店員に預け、いつものように買い物をする。



女の荷物は多い・・・か。



あいつも、そうだった。



教科書の入った鞄に部活のバック。

その他、何が入ってるんだっていうくらいの、たくさんの荷物。

毎日、何をそんなに持っているんだと不思議に思い、

いつだったか聞いた答えは、





―――女の子は、いろいろと必要なんだよ。





笑って誤魔化された気がした。



いつも、

笑っているやつだった。



幼稚園から高校まで、

あぁいうのを幼馴染みって言うんだろう。



兄貴と、絹代と、オレと。



いつも三人、一緒だった。



あの日までは・・・。





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