ヒワズウタ ~ユヅキ~
「一週間の予定で出張に来ていたのに、トラブルで滞在が延びてしまってね。
いつ帰れるか分からないんだ。
ウィークリーマンションは、なんだか落ち着かなくてね。」
何故、彼女に素直に話したんだろう。
見知らぬ少女と、こんな風に自然に話している自分に、少し驚いた。
彼女の唇が動く。
「よかったら、私の部屋で一緒にごはん食べませんか?
一人で食べるより二人で食べた方が、おいしいですよ。」
彼女の視線は、外されることはなかった。
・・・何、考えてんだ、最近の若い女は・・・。
呆れてみたところで、しょうがない。
きっと、何も考えてないんだろう。
何だか、その若さが、無精に羨ましくなった。