ヒワズウタ ~ユヅキ~

ゆっくりと振り返り、

視線を合わせようとするのと同時に同僚は、



「じゃぁ、私はこっちの路線なんで。

 今日は、ごちそうさまでした。

 見送りに行くんで、帰る時は教えてくださいね。

 お疲れ様です。」



そう言って、

笑顔で手を振り、駅へと消えていった。



一瞬、

合ったはずの目と目。



酔った思考では、

瞳の色は読み取れなかった。



< 19 / 34 >

この作品をシェア

pagetop