ヒワズウタ ~ユヅキ~

右手にしている腕時計に目をやる。

もう遅い時間だけど、ちゃんと送れば問題ないか。




「何か、飲み物いる?
 
 少し、話ししようか」



そう言って彼女の頭を撫でた。


フワリ、と


心地よい感覚が右の掌に広がった。



「あ、じゃぁ、すいません。
 
 このミルクティで・・・あの・・・」



「ん?何?」



「話・・・私の部屋で・・・?」



「部屋は、ダメだって言ったでしょ?

 そこの公園だよ。」



恥ずかしさからだろう、

また俯いてしまった彼女の背中にそっと手を添える。



その掌から伝わる彼女の体温が、酷く心地よかった。

< 24 / 34 >

この作品をシェア

pagetop