ヒワズウタ ~ユヅキ~
右手にしている腕時計に目をやる。
もう遅い時間だけど、ちゃんと送れば問題ないか。
「何か、飲み物いる?
少し、話ししようか」
そう言って彼女の頭を撫でた。
フワリ、と
心地よい感覚が右の掌に広がった。
「あ、じゃぁ、すいません。
このミルクティで・・・あの・・・」
「ん?何?」
「話・・・私の部屋で・・・?」
「部屋は、ダメだって言ったでしょ?
そこの公園だよ。」
恥ずかしさからだろう、
また俯いてしまった彼女の背中にそっと手を添える。
その掌から伝わる彼女の体温が、酷く心地よかった。